クリスタルチャペルコンサート
佐野健二のリュート音楽の楽しみ 第26夜1999年3月10日
演奏風景、解説、プログラム


"No.26-Renaissance Lute Songs ルネサンスの楽しみ"
1999.3.10.
平井満美子/ソプラノ 佐野健二/リュート、ヴィウエラ

1999.3.10.1999.3.10.


「佐野健二のリュート音楽の楽しみ」第26回目は、イギリス、フランス、スペイン、イタリア、ドイツを巡り、ヨーロッパ各国のリュートソングとリュートソロを演奏します。16世紀ヨーロッパ各国では、おのおのの国民性と言語に密着したリュート歌曲が数多く作り出されました。プレクトラム(ピック)で単旋律を弾いていた中世のリュートにかわり、ルネサンス時代には指でつまびく奏法が主流となり、多声部の楽曲をも奏でるようになりました。そしてリュートは独奏楽器としてのみならず、伴奏楽器としての地位も確立したのです。しかしリュートソングというジャンルは、単にリュート伴奏付の歌というより、歌とリュートの二重奏といえるものなのです。リュートは、やさしさ、悲しみ、激しさ、そしてうれしさを表す歌い手の心情に寄り添い、また時には先導します。正に最高の歌のパートナーとしてリュートは好まれ、多くの優れた作品が作り出されました。
ヨーロッパ全土で好まれたリュートですが、国民性や社会背景、また気候条件等により微妙に響きが違います。今日は4台の楽器を使います。イタリア、フランスにG調弦の6コース・リュート、ドイツにG調弦の7コース・リュート、スペインにA調弦の6コース・ヴィウエラ、イギリスにF調弦の7コース・リュートです。
ヴィウエラとは、ルネサンス時代のスペインで宮廷楽器として愛好された楽器です。調弦体系はルネサンスリュートと同じなのですが、全体に一音高く、形態はギターと同じフラットな裏板のボディーからは軽やかな響きが生まれます。
それでは「ルネサンスの楽しみ」と題した今日のプログラム、リュート音楽の原点ともいえるリュート歌曲の数々をお楽しみ下さい。


《France》
わたしの命をにぎる人Belle qui tiens ma vie/Anon.
千々の悲しみMille regrets/Josquin des Pres
花咲く日々にTant que vivray/Claudin de Sermisy

《Germany》
ああエルスラインAch Elslein/Ludwig Senfl
幸せになれるだろうかMag ich Ungluck nit widerstan/L. Senfl
インスブックよ、さようならInsbruck, ich muss dich lassen/Heinrich Issac
イタリア風舞曲Die folget ein welscher tanz Wascha mesa/Hans Newsidler

《Italia》
愛の証はいとしい人Madonna, quel certezza/P. Verdelot
リチェルカーレRicercari/Marco Dall'Aquila
私の人生はVita della mia vita,/P. Verdelot
いとしい人よ私の望みはMadonn', io sol vorrei/Philippe Verdelot

Interval 休憩

《Spain/Luis Milan》
パヴァーヌとファンタジアPavana V & Fantasia XXII
話して私の恋人よFalai mina amor/Villancico en portugues
私は恋でなにも見えないPerdita tenyo la color/Villancico en portugues
愛を征服Al amor quiero vencer/Villancico en castellano
恋人よ私を連れ去れLeuay me amor/Villancico en portugues
もし風が吹けばAgora viniesse un viento/Villancico en castellano

《England》
パヴァーヌPavan/Edward Collard
セイントへ続けFollow Your Saint/Philip Rosseter
おやすみやさしいミューズGoe to Bed Sweete Muse/Robert Jones
ニンフよ安らかにRest Sweet Nimphs/Francis Pilkington


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