浜松市楽器博物館
コレクションシリーズ50

シェイクスピアの音楽
リュートに託した恋の歌

佐野健二/リュート
平井満美子/歌
奥田直美/リコーダー

◆レコード芸術2015年1月号 特選盤◆

浜松楽器博物館紹介ページ
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B00OV9GDPM
HMV http://www.hmv.co.jp/product/detail/6057401
EMC Records 0016

Airs Anglois
リコーダーとリュートによるエール・アングロワ

奥田直美のリコーダーから紡ぎだされるイングリッシュ・エアの旋律たち
それらは、佐野健二の奏でるリュートの響きと融合、安らぎのときを演出する

奥田直美/リコーダー  佐野健二/アーチリュート
EMC-R-0016 ¥1500
Airs Anglois
 1. A Ground グラウンド / Gottfried Keller (Livre 1-50) 1:44
 2. Air エア / Gottfried  Finger (2-17) 2:00
 3. Symphony シンフォニー / G.Finger (2-31) 2:34
<Set of Airs in g> 4~8
 4. Adagio アダージョ / George Bingham (4-23) 1:37
 5. Air Allegroエア・アレグロ / Anon. (1-34) 0:48
 6. Air エア / G.Finger (2-35) 0:52
 7. Air Largo エア・ラルゴ / Anon.  (1-33) 1:38
 8. Jigg ジグ / Anon. (2-40) 1:01
9. Solo ソロ / Andrew Parcham (2-43) 7:09
10. Round O ラウンド・オー/ G.Bingham (4-32) 1:31
11. A Ground グラウンド / G.Finger (2-5) 2:57
12. English Air イングリッシュ・エア / G.Bingham (4-7) 1:21
13. Jigg ジグ / G.Finger (2-29) 2:47
14. Chaconne シャコンヌ / G.Finger (3-16) 3:231
<Set of Airs in d> 15~20
15. Ouverture オーバーチュア / G.Finger (3-1) 4:34
16. Hornepipe ホーンパイプ / G.Bingham (3-29) 0:41
17. A Farewel フェアウェル / G.Finger (3-2) 2:51
18. Adagio アダージョ / G.Finger (3-4) 2:36
19. Jigg ジグ / G.Bingham (4-14) 1:07
20. A Ground グラウンド / G.Finger (3-6) 3:49
21. Ciaccona チャッコーナ / G.Finger (4-41) 4:31
Total playing time -51:40-
奥田 直美 Naomi Okuda / Recorder (Alto Recorder "Bressan" by Yuzuru
Fukushima, 2007)
佐野 健二 Kenji Sano / Archlute (14-course Liuto Attiorbato by Junji
Nishimura, 1985)

Air Anglois = EMC-R-0016
Recorded = EMC Private Studio, August 2008
Producer = Mamiko Hirai & Kenji Sano
Engineer & Editor = Kenji Sano
Commentary = Naomi Okuda English translation = Andrew Littlejohn
2008 The Early Music Company  http://www.emclute.com/    emc@emclute.com
●奥田 直美/リコーダー
大阪音楽大学短期大学部フルート専攻卒。卒業後、古楽に興味を移し、英国・ギルドホール音楽院大学院課程古楽科にてリコーダーをパメラ・トービーに、バロック・フルートとバロック奏法をスティーヴン・プレストンに学ぶ。同校より演奏家ディプロマを授与され卒業する。リコーダーを中村洋彦、向江昭雅、ピアーズ・アダムスの各氏にも師事する。現在、バロック音楽のスペシャリストとして各地で精力的に演奏活動を行っており、ポピュラー系のCD録音等にも参加している。大阪よみうり文化センター、厚木(神奈川)リコーダー・アンサンブル講座講師。
 
●佐野 健二/アーチリュート
英国・ギルドホール音楽院首席卒業。ギターを岡本一郎、H.クワイン、B.オー、J.ブリームの各氏、リュートをA.ルーリー、N.ノース、J.リンドベルイの各氏に師事。演奏活動に対し、「ロンドン芸術協会選出1978年度新人音楽家」「大阪文化祭奨励賞」「音楽クリティック・クラブ新人賞」「神戸灘ライオンズクラブ音楽賞」「大阪文化祭賞」等を受ける。現在、ルネサンス、バロック期の撥弦楽器を中心に、独奏・伴奏・通奏低音奏者として演奏、録音活動を行っているが、そのレパートリーは民族音楽より現代音楽にまで及んでいる。アーリーミュージックカンパニー主宰、相愛大学非常勤講師。

◆EMC Records 取扱店◆


ディスクピア日本橋店 06-6634-1161
古楽情報誌アントレ編集部 042-378-7603
東京古典楽器センター 03-3952-5515
現代ギター社 03-3530-5343
フレット楽器オザキ大阪南森町店 06-6357-5911
アンリュウリコーダーギャラリー 06-6678-1011
山野楽器銀座本店2Fクラシックフロア 03-3562-5051(代)
ヤマハ心斎橋店CDコーナー 06-6211-8869
他各大手レコード店



◆CD批評◆

レコード芸術
2009年 1月号

推薦盤
推薦盤
「エール・アングロア Airs Anglois」とは、1702年から06年にかけてオランダのアムステルダムで刊行された4巻のリコーダー曲集である。その名のように17・18世紀のイギリスで活躍した音楽家たち、ヘンリー・パーセル(1659-1695)、この曲集をまとめたジョージ・ビンハム(1689/1701ごろ活躍)、モラヴィア出身のゴットフリート・フィンガー(1660ごろ-1730)らの作品を、全部で174曲収録している。
その中の21曲を選びだして、リコーダーの奥田直美さん、アーチリュートの佐野健二さんが演奏しておられる。切れよく、しかも歌心にみちた奥田さんのリコーダーは、ビンハムの《ジグ》の軽快なリズムの乗り、作者不詳の《エア・ラルゴ》の嫋々たる歌いまわし、またフィンガーの《グラウンド》の冴えた構成感など、どの面からみても出色のものがある。
その奥田さんを伴奏する佐野さんの支えがこれまた際立っていて、奥田さんのメロディをあたたかく柔らかく引きだし、積極的な生気あるリズムによってリコーダーの動きを触発しておられる。まことに見事なアンサンブルである。全体的に同じような作品が並んでいるにもかかわらず、演奏のよさで一気に押しきってゆく。結びのフィンガー作品《チャッコーナ》が終わったところで、思わずCDにむかって拍手してしまった。
(皆川達夫)

アムステルダムで18世紀の最初の10年間のうちに相次いで出版されたリコーダーのための曲集『エール・アングロワ』全4巻のなかから約20曲を選び出して演奏した、このジャンルに関心を持つ人にとっては新しい体験の機会になる録音の登場である。エール・アングロワとは、フランス語でイギリスの歌ないしイギリスの旋律の意味で、名前のとおりロンドンを中心にイギリスで活躍した音楽家の作品をあつめた曲集である。ビンガム、フィンガーといった音楽家の作品が多く、パーセルといった著名な作曲家の手になるエアは少ない。この録音でもビンガム、フィンガーの作品でほとんどが占められている。グラウンドなど、同時代に流行した形式書法による音楽を、ここでも聴くことができる。
佐野健二のリュート(14コースのアーチリュートを使用)によるコンティヌオに支えられた奥田直美のアルト・リコーダーによる演奏は、細部の技巧に誇示や、過剰な表現や大げさな身振りを感じさせる演奏表現を排除し、テンポの維持、旋律の造形など、きわめて規範的な演奏を繰り広げる。楷書の端正さを旨とした演奏は、この曲集に含まれた音楽の原型を示していると言ってよいであろう。
(美山良夫)

[録音評]
リコーダーが前中央、アーチリュートがやや後方にという定位で、バランスも整っている。残響成分もほどよく加味されているが、空間的な広さや大きさの表現につながりにくいものがあるという印象を受けるのは、ひとつには残響成分の質によるのであろう。また、ふたつの楽器をいずれも中央にまとめているため、モノーラル的な音場空間になっているようだ。<87点>
(石田善之)


CDジャーナル
2009年 1月号
18世紀初頭、アムステルダムで出版された「エール・アングロワ(イギリスのエア)」というリコーダー曲集から抜粋したアルバム。4人の作曲家は有名ではないが、いずれの曲も初めて聴く曲とは思えない親しみのあるメロディに満ちている。演奏もまた、楚々として美しい。
(T)
現代ギター
2009年 1月号
リコーダーとリュートにより、古い時代のイギリス音楽が奏でられる、懐かしさと素朴な響きに癒されるアルバムである。「エール・アングロワ」とはイギリスのエアのことで、歌曲、旋律という意味を持っているというが、これは1702年から1706年にかけてアムステルダムで出版されたリコーダー曲集。そのバックボーンにはイギリスとオランダの関係があり、イギリス王国と人民の激動の歴史を抜きにしては語れないが、時代と民族を超えた、凛としたイギリス音楽の美しさに改めて魅了される。奥田直美(リコーダー)と佐野健二(リュート)は英国で古楽を学んでいるが、選曲から演奏形式に至るまで真摯に音楽をみつめる姿勢が、その演奏から伝わってくる。
(朝)
古楽情報誌アントレ
2009年3月号
 ・・・そんな彼等の演奏は、兎にも角にもハイ・センスである。奥田のリコーダーは、素朴で美しい珠玉のような旋律の数々を殊更に飾り立てることなく、だが同時に無味乾燥に陥ることもなく、まさに「中庸の美」と呼ぶに相応しい絶妙の感覚をもって、実に豊かに歌わさせ飛翔させる。・・・・
(神倉健)


お問い合わせ:大阪アーティスト協会 Tel : 06-6135-0503
アーリーミュージックカンパニー:e-mail : emc@emclute.com  Fax : 06-6852-9991

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